2014.05.1023:18
歌川豊国の屍姦春画
こんにちは、nexaです。屍姦は人類の歴史とともにあり。今日は江戸時代の屍姦春画をご紹介します。
みなさんは江戸時代の浮世絵師、初代歌川豊国(1769-1825)が屍姦の春画を描いていることをご存知ですか?これは『絵本開中鏡』(えほんかいちゅうかがみ)の中巻第5図です。一見普通の男女のセックスですが・・・
・・・実はこの女性は幽霊で、男性がセックスしていた相手はこの女性の白骨死体だったのです(中巻第6図)。怪談「牡丹灯籠」がモチーフです。
こちらは同じく『絵本開中鏡』の下巻第3図です。なぜ泣きながらセックスしているのかというと・・・
・・・二人はこの後、心中するからです(下巻第4図)。
最後は歌川豊国の最高傑作、いいえ、浮世絵の最高傑作、『逢夜雁之声』中巻第3図です。埋葬屋が若い女性の死体とセックスしています。
『逢夜雁之声』中巻第3図は世にも珍しい名品ですが、なんと書いてあるのでしょうか。解読して現代語訳してみました。
【翻刻】
げんは何をしてゐるのだてめへさむくはねへかおれは/かうずりのおせうをたのんでゐる内/だいところへ/こじきがきやア/かつてごた/つくのを/やう〳〵/すまして/きたから/おそくなつた/げんはナゼ/だまつている/のだコレものをいへ〳〵
【現代語訳】
げん(注1)は何をしているんだ。お前、寒くはないか。俺は髪剃り(注2)のおしょう(注1)に頼んでいる間に台所に乞食が来やがってごたごたしていたのをやっと済ませて来たから遅くなった。げんはなぜ黙っているんだ。こら、物を言え。言え。
(注1)げん、おしょう・・・ともに人名。
(注2)こうずり・・・供養のために死者の髪を剃ること。
【翻刻】
このほとけさまはおらア/とふからほれていた/がとても/かなわぬ/ことだと/あきらめていたがきのふしんだと/きひてなんでもゆかんのときして/やろうとたのしんでいたかう/なつては仏てもゆうれいでも/もふこたへられぬこれさきゝ/なよおめへにやアとふからの/ほれていたヨアヽつめてへ/ぼヽだとてものことに/ねまでいれて/きをやりてへ/なんだかからだ/ぢうがべと〳〵する/しかしほとにかわつ/たことはねへ/とはいふものゝ/とんだ処で/ほんもふを/とける物だ
【現代語訳】
この仏様は俺は前々から惚れていたが、とても叶わないものだと諦めていたが、昨日死んだと聞いてなんとしても湯灌のときにヤッてやろうと楽しみにしていたんだ。こうなったら仏でも幽霊でももう我慢できない! さあ、聞いてくれよ。お前には前々から惚れていたんだよ。ああ、冷たいオマンコだが、なんとも根元まで入れてイきたい。なんだか体中がベトベトする。しかしオマンコに変わりはないとは言え、とんだところで本望を遂げるものだ。
江戸時代にこんな素晴らしい屍姦の絵を描くなんて、さすが歌川豊国ですね。
参考
林美一著『江戸枕絵師集成 歌川豊國』河出書房新社、1994年
湯原公浩編集『別冊太陽 春画 江戸の絵師四十八人』平凡社、2006年
みなさんは江戸時代の浮世絵師、初代歌川豊国(1769-1825)が屍姦の春画を描いていることをご存知ですか?これは『絵本開中鏡』(えほんかいちゅうかがみ)の中巻第5図です。一見普通の男女のセックスですが・・・
・・・実はこの女性は幽霊で、男性がセックスしていた相手はこの女性の白骨死体だったのです(中巻第6図)。怪談「牡丹灯籠」がモチーフです。
こちらは同じく『絵本開中鏡』の下巻第3図です。なぜ泣きながらセックスしているのかというと・・・
・・・二人はこの後、心中するからです(下巻第4図)。
最後は歌川豊国の最高傑作、いいえ、浮世絵の最高傑作、『逢夜雁之声』中巻第3図です。埋葬屋が若い女性の死体とセックスしています。
『逢夜雁之声』中巻第3図は世にも珍しい名品ですが、なんと書いてあるのでしょうか。解読して現代語訳してみました。
【翻刻】
げんは何をしてゐるのだてめへさむくはねへかおれは/かうずりのおせうをたのんでゐる内/だいところへ/こじきがきやア/かつてごた/つくのを/やう〳〵/すまして/きたから/おそくなつた/げんはナゼ/だまつている/のだコレものをいへ〳〵
【現代語訳】
げん(注1)は何をしているんだ。お前、寒くはないか。俺は髪剃り(注2)のおしょう(注1)に頼んでいる間に台所に乞食が来やがってごたごたしていたのをやっと済ませて来たから遅くなった。げんはなぜ黙っているんだ。こら、物を言え。言え。
(注1)げん、おしょう・・・ともに人名。
(注2)こうずり・・・供養のために死者の髪を剃ること。
【翻刻】
このほとけさまはおらア/とふからほれていた/がとても/かなわぬ/ことだと/あきらめていたがきのふしんだと/きひてなんでもゆかんのときして/やろうとたのしんでいたかう/なつては仏てもゆうれいでも/もふこたへられぬこれさきゝ/なよおめへにやアとふからの/ほれていたヨアヽつめてへ/ぼヽだとてものことに/ねまでいれて/きをやりてへ/なんだかからだ/ぢうがべと〳〵する/しかしほとにかわつ/たことはねへ/とはいふものゝ/とんだ処で/ほんもふを/とける物だ
【現代語訳】
この仏様は俺は前々から惚れていたが、とても叶わないものだと諦めていたが、昨日死んだと聞いてなんとしても湯灌のときにヤッてやろうと楽しみにしていたんだ。こうなったら仏でも幽霊でももう我慢できない! さあ、聞いてくれよ。お前には前々から惚れていたんだよ。ああ、冷たいオマンコだが、なんとも根元まで入れてイきたい。なんだか体中がベトベトする。しかしオマンコに変わりはないとは言え、とんだところで本望を遂げるものだ。
江戸時代にこんな素晴らしい屍姦の絵を描くなんて、さすが歌川豊国ですね。
参考
林美一著『江戸枕絵師集成 歌川豊國』河出書房新社、1994年
湯原公浩編集『別冊太陽 春画 江戸の絵師四十八人』平凡社、2006年