2ntブログ
2014.04.2823:14

【創作】白死病医師

こんにちは。nexaです。今日は創作です。


白死病医師

粗末な藁ぶき屋根に、十三ばかりの少女の慟哭が響き渡る。

少女の母が死んだのだ。

少女の母は二十六、今の少女と同じばかりのころに少女を生んだ。

慟哭を聞いて家を覗いた近所の男が、母の亡骸に縋る少女に外から叫ぶ。

お前の母に触ってはならない!お前の母は白死病だから!

白死病の患者は瘴気がある!触れればお前も蒼白い死体だ!

男は家に入らない。家に入って引き剥がせば少女を母から離せようが、瘴気に触るのが怖いのだ。



白死病は不治の病。

沼の瘴気に触れて人は白死病に罹り、罹れば自らも瘴気を撒き散らす。

やつれやつれて蒼白い死体になるのをひたすらに待つのみ。

今年になって急に猛威を振るい、二千万人が死んでいる。

少女の父は何年も前、旅先で白死病で死んだ。

瘴気を封じるように葬ったので、少女もその母も、彼の死に目に会えなかった。



粗末な藁ぶきの屋根に呼ばれた一人の白死病医師。

烏のようなマスクを被り、男とも女とも知れない。

嘘かまことか知らねども、そのマスクが瘴気を防ぐと云う。

諸侯から給金を得て、白死病の患者を癒し瘴気の有る死体を処理する。

Doctor

おお!哀れなる少女よ!お前の母は若くして死んだ!

今お前の母は満腔を瘴気に満たしている!触れればたちまち白死病!

白死病の死体は墓に埋めるべからず。

白死病の死体を埋めたならば、瘴気は土に満ち、雨降れば川に流るる。

水を飲む者も畑のものを食べる者も蒼白い死体に!

龍涎香に薄荷に樟脳、丁子に阿片に没薬に薔薇、香るポプリで瘴気を抑え、遠き山辺に埋めるべし!



白死病医師は講釈をして、少女の母を棺桶に入れ、ポプリを詰めて荷車に載す。

後は吾輩に任せなさいと、ゴオロゴオロと車輪を鳴らし、遠い山まで屍を運ぶ。

哀れ独りで残された少女はくずおれ嗚咽するのみ。




「ぷはぁ」



山奥の小屋で白死病医師はマスクを外した。この息のしづらいマスクも楽ではない。

それで坂道を死人一人載せて荷車を引けば、息は切れるし熱気はこもる。

元より不要なものであればなおのこと、精神的にも邪魔に感じられる。

元より不要――なにしろこの村は清浄そのもの!

白死病の瘴気は山に妨げられて、隣の村までは来たけれど、この村まではまだ来ない。



嗚呼なんと美しい女だろう!

一児を生んで育て上げてなお色香に満ち満ちるこの女!

死ねばますます美しい!

覆いかぶさり口を吸い、胸をはだけて揉みしだく。



白死病医師はこの山奥の小屋で、同毒療法を研究していた。

病の症状と同じ症状を起こす薬を患者に与えれば体が刺激されて治るという理屈だ。

そしてあるときこの山に生える毒草を煎じて飲めば白死病そっくりの症状が出ることに気づいた。

方々の白死病患者に飲ませて回ったが、結果は思わしくなかった。

しかし彼はその白死病患者を使った人体実験で、この毒草の毒には死体を腐敗から守り美しい姿を保ち続けることを知った。



装束を全て脱がす。性器まで露わになる。

性器を引っ張って拡げる。

あの少女を産んだ性器、どれほど拡がり黒ずみきったものかと思いきや、美しい桜色の割れ目である。

蒼白く冷たい死体。最高の触り心地だ。



美しい女の死体を一度抱いてその気持ちよさを知ってしまったら、とてもではないが生きた女は抱けなくなる。

この白死病医師はまさにそうだった。

ちょうど今日のように――そのときは本物の白死病患者だが――若い女の死体をポプリとともに棺桶に詰めて荷車で運んでいた。

女の死体のあまりの美しさとポプリの芳しい香気に我慢ならなくなり、彼はその死体を犯した。



蒼白い死体の、美しい、冷たい桜色の部分に、熱を帯びた熱い棒を差し入れる。

まとわりつくような肉の壁!

押し寄せる快楽!



美女の死体を抱いたそのあまりの快楽に、彼は死体とのセックスに夢中になり、頭がいっぱいになった。

しかし白死病の死体とセックスをするのは、自らの命を縮めること。

悩んでいた矢先、彼は偶然、その毒草を手に入れたのだった。

彼は毒草をパンに練り込んだ。そして貧しい女に安く売った。

彼は、毒草を練り込んだほうのパンを指して自分で食べよと言い、練りこんでいないほうのパンを指して娘に食べさせよと言った。

彼女は見る見るあたかも白死病に罹ったかのようになり、そしてついに今日、死んだ。



冷たい死体、あまりに気持ちよいその体!

腰を激しく打ちつける。

全身に走る快感、絶頂!

永遠に二度と子を宿すことのない子宮に、大量の精液を注ぎ込む。



その夜白死病医師は死体に寄り添って寝た。

あの娘の泣きじゃくる顔も美しかった――次はあの娘を白死病にしよう。

そして三人でのセックスを思う存分楽しむのだ!

(完)

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ツイッターではファンタジーなフィクションで死体愛を語っていますが、ブログでは中の人のちょっぴりリアルな素顔も見せちゃいます。幻想を壊されたくない方はご注意を。

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